狂気を笑うな来た道だもの

クラシカロイドのレビューを書くためにブログ開設した女

クラシカロイドが終わるとどうなる?クラシカロイドが始まる【最終話感想レビュー】

クラシカロイド1期完結&2期放送決定、おめでとうございます!視聴者のひとりとしてとても感慨深いです。

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先日、こういう記事を書かせていただいた者です。

お前もクラシカロイドを見て、タフな創作家になれ【レビュー】 - 狂気を笑うな来た道だもの

こちらの記事では「創作活動をしている人に見てほしいアニメ、クラシカロイド」というテーマで22話までのエピソードを紹介させていただいています。この記事を書いていた頃には2期などと思いもよらなかった……!

そして、2期は10月から放送開始ですが、1期を復習したいとお考えの方、もしくはこれから見始めたいという方へ。

アニメ「クラシカロイド」HP

4月8日(土)24:00~

1期の再放送が始まります。土曜深夜のクラシカロイドも是非よろしくお願いします。作風的に正しい放送帯になっているのでは……?公式サイトも夜バージョンになっていますね。

 

さて、早速ですが第1期最終話まで視聴した感想を綴っていきます。

※ネタバレが大量に含まれています。

 

♪25話 宇宙(そら)からのアンコール

登場ムジーク:

すべては愛から~ブランデンブルク協奏曲より~

世界はMUSIC!!!~魔笛より~

大宇宙音楽賛歌No.9~交響曲第九番より~ 

 4月1日エイプリルフールの最終回は、まさに”嘘みたいな”超弩級の展開から始まります。なぜこのアニメはOPに宇宙が……?計り知れない時間と距離を繋いだのはボイジャーのゴールデン・レコードでした。

音楽は終わりが派手であればあるほど良いとは聞きますが、その結果が地球外生命体による地球侵攻です。23話・24話・25話は時系列では一日にして起こった出来事ですが、本当に一日で世界を終わらせる音楽アニメがあるか!

そして本気の終末に際した二人の一般人と八人のクラシカロイドたちは一体どんな行動を取るでしょうか。

いまいち乗り気でない音楽家たちの中の唯一の良心バッハ様……。世界はともかく館を守りたい、で貫徹している歌苗ちゃん。世界はともかくここぞとばかりに有名になりたい奏助。

人間っていうのは割ともう、こうなんだ!人間ってのは世界の終末や人類の明日なんて知ったこっちゃないエゴの塊なんだ!……ひしひしと伝わってきます。最初から最後まで人間臭いアニメだ……!

前半パートの山場、ついにオクトヴァに本物の八音が入り、宇宙からの熱心なファンに向けてムジークを響かせます。アツい全員版ムジーク変身バンク!「すべては愛から」の煌めきに包まれる様な達成感、勝利BGM感がとても好きです。

個人的にはオクトヴァに入る前のバッハ様まわりの関係性回収がとても嬉しいです。「誰も信じてないのはバッハ様のほう」……ずっとバッハの心の奥を知ろうと頑張ってきたチャイコフスキーだからこその発言とも。クラクラがプロデューサーと普通に会話出来るようになってよかった……。

「父に宜しく」「アンダンテ」……歩くような速さで。この二人でこういう会話ができるのは24話を乗り越えたからこそ。

他のクラシカロイドも様々な出来事を乗り越え、堂々とムジークを奏でられているように思えます。真面目に既に生涯を終わらせた音楽家に精神的成長を与えるってスゲーアニメだと思う……。

そして前半パートが終わりさらに事態は悪化。

「あいつら悪い奴じゃない、ただもっともっと音楽を聞きたがっているだけ」……これを奏助が言うのがいいですね……ミュージシャンに憧れる前に、ひとりの熱心な音楽ファンなんだ!っていう。そして9話を経験したベトならば……アンコール、と聞いては黙ってはおけない。田園ロボでハママツをカッ飛んだならばこれも不可能ではない。UFOに直接届けるのだ!そして変身して歌を届けるべくはパンピーの歌苗と奏助でなければならないのだ!自分で行くのがめんどい

何を見せられているんだろう…?音楽アニメだよね…?襲い来る攻撃を躱しつつ空中を疾走するシーンは、モツのムジーク「世界はMUSIC!!!」が彩ります。あの「復讐の炎は~」がこんなにも明るく楽しい曲になるとは……!「くれたものお返ししなきゃね」……歌詞が2話の「アイネクライネ・夜のムジーク」のアンサーになっているようで好きです。

歌苗ちゃんも強くなったなあとしみじみ。館を守り抜くと誓った1話から……この人達と居れば、奇跡は起きるのだと。

そしてUFO内に突入。タクトを構える八音、曲が始まる直前のいっさいの無音の緊張感。一呼吸おいて響き出す大宇宙音楽賛歌No.9」……完璧な流れです。

ギターサウンドでアレンジされたよろこびの歌と、生き生きとタクトを振るクラシカロイド達が……感慨深い……個人的にはショパンの後ろにジョリー(改)が飛んでいたのが嬉しかったです。彼女もクラシカロイドだ!

宇宙人割と優しい!普通にディスクで聴いてライブに押しかけた熱心な音楽ファンだ!

ハママツには平和が戻り、クラシカロイドも館に戻り……。奏助が9話のギターをなんだかんだ使っているのが身に染みる。丁寧な回収にもうこのまま終わってもいい……くらいの満足感でしたが、ここで2期のお知らせ。テレビの前でガッツポーズ。

冗談抜きにずっと見ていたいと思える作品なので……。もう本当、10月まで生きます……。

最終話の感想を書きましたが、終盤の三話は積み重ねの本領発揮だと思います。24話で言いたいことを言ってのけ、25話では思いっきりに楽しませる。作品の性格が出ているというか、まさにクラシカロイドですね……。

24話は、これまで散々持つもの持たざる者、才能の話をやってきてからの「音楽が世界中の誰の手の中にも入って来たら?」果たしてどうする、というクエスチョン。誰もがムジークを使える世界……音楽という魔法で伝え合う世界になってしまったら?あるものは「みんなのもの」に近づいていくほどに寂しい。

決して「音楽はみんなのものだ」ではなく「誰もが使えていいわけじゃない特別なものだ」という結論はこのアニメらしいなと思います。冒頭の記事でも散々書きましたが、今になっての1話、15話や20話が訴えてきたものはあると思います。それこそ歌苗ちゃんの「大切な思い出があるから!」ってことですね……。

ここまできれいな感想を綴っていきましたが、まあ大切な思い出……の中に普通にヤバイ回の思い出もあるところがクラシカロイドのいいところですね!ますとか!

脳が溶けると定評があるクラシカロイドのギャグ回については冒頭に置いた記事でもいくらか紹介させていただいていますが、思えばあの記事で13話、16話あたりを紹介できなかったのが心残りです……。

思えば1話2話はずいぶんしっとりと、静かに始まったように思えます。2クール目からのハチャメチャさからの相対的な話で普通にギャグアニメですけど……!

1話では館が壊されそうになったところで、「歌苗ちゃんの館を壊されたくないという思いとはまったく関係ないところで」「ギョーザを落としたベトが激情に駆られ」ムジークが出てナンカ解決してしまう、という……大事なところですね。音楽家ってそういう生き物なんだ……!

「自由に音楽作りたいクリエイターが消費者に束縛されてしまう」という問題提起はこのアニメ繰り返し出てくる&ベト・モツあたりが衝突しますが、音羽館クラシカロイドはまわりの意思とかわりと知ったこっちゃない……!ああ、ここで24話の「歌苗という指揮者が自由にさせてくれるから」というところになんとなく繋がってくるわけですね……。

 

長々と書きましたが、きりがなくなるのでこのあたりで一旦〆ます。個人的な感想ログと、単純にこのタイミングだからこそクラシカロイド見てください!という宣伝を兼ねていますが、キャラクター紹介を中心とした布教はTwitterで皆様の素晴らしいものが回ってきているので、このような形で書かせていただきました。

ここまで読んでいただきありがとうございました!今週土曜からの深夜再放送と10月からの2期をよろしくお願いします!

 

クラシカロイド MUSIK Collection Vol.3

クラシカロイド MUSIK Collection Vol.3